ウチのおばあちゃんが、ごはんに味噌汁をかけて犬に食べさせてしまいました。
塩分の摂りすぎが心配です。内臓に負担がかかるのではないでしょうか。
病院へいったほうがいいでしょうか?
犬には塩を与えたらダメ、しょっぱいものはダメだといいますね。
犬は人間と違って汗腺がないので、塩分を汗として出すことができないので、腎臓に負担がかかるといいます。
しかし実際のところは、犬だって多少の塩分は必要とします。人間が飲む味噌汁程度の塩分くらいなら、摂っても心配はないんですよ。
よけいな塩分は、ちゃんとオシッコと一緒に排泄できるのです。
なぜ「塩はダメ」だという説が有力になったのか不思議なくらいです。
犬にも塩分は必要です
いつから犬は塩分を摂ってはダメだといわれるようになったのでしょう?
犬に塩分は不要というのは「塩分を食べなくても生きていくことはできる」ことを意味していて、塩分をとったら体に悪いというワケではないのです。
むしろ、まったく塩を与えないほうがよくありません。人間は塩分を摂らないと体がだるくなりますが、それは犬も一緒です。
適度な塩分は与えてあげてください。もし、必要以上に摂取した場合は、尿とともに体の外に出せるので大丈夫です。
「汗腺から出せないぶん体に負担がかかるのでは?」と考える人もいますが、人間が汗腺から出す塩分の量は、尿で出す量に比べると量が少ないのです。
犬はなぜか、しょっぱいものはダメだと塩がタブー扱いされていますが、よく考えてみれば不思議な話です。
動物界に目を向ければ、自ら塩分を摂ろうとする動物も多いのに何故犬はダメ出しされるのでしょうね。
積極的に、塩を摂ろうとする動物だっているんですよ。
塩を食べる動物たち
アフリカのある休火山の山腹に、洞窟がありますが、そこにはゾウなどの野生動物が塩を食べにやってきます。
わたしはその光景をテレビで見ました。洞窟にゾウの群れがやってきて、牙で器用に土を掘り、食べていました。
土に含まれる塩分を摂っているのです。洞窟に塩を食べに来ていたはゾウだけではありません。シカやサルなど多くの動物が土を食べに来ていました。
動物たちは安全とはいえない洞窟の土に含まれる塩やミネラルを求めて来ていたんです。それほど塩分やミネラルは重要なんですね。
国民的アニメの「アルプスの少女ハイジ」に登場するヤギたちも、おじいさんの手から塩を舐めさせてもらうシーンがあります。
ヤギ飼いの少年ペーターと山へ草を食べにいったヤギたちが帰ってくると、おじいさんがいつも塩を舐めさせます。ヤギたちは美味しそうに塩を舐めていました。
じっさい、飼われているヤギは、塩を与える必要があるそうですね。ヤギなど家畜に与えるための鉱塩というブロック状の塩があるそうですよ。
また、家庭で飼うインコ用には「塩土」という土がありますが、これはインコが塩分やミネラルを補給するためのものです。ケージに入れるとクチバシで削って食べています。
動物たちは、自ら塩分を補給しています。犬も塩分を補給しましょう。
生理食塩水
動物病院では病気の動物に点滴をすることがあります。このときに使う点滴は生理食塩水です。生理食塩水の塩分濃度は0.9パーセントです。
味噌汁の塩分濃度が、だいたい0.8~1%程度ですから、生理食塩水は味噌汁とおなじくらいショッパイものになります。
もちろん、この生理食塩水は犬にも使われます。
点滴によって体内に入った生理食塩水は、体で利用されたあとは腎臓に流れ、不要なものは尿として排出されるのです。
まとめ
以上のことから、犬にも塩分は必要だということがわかります。
塩分は人間はもちろん、多くの動物にとって、生命の維持に必要なものです。肉食動物だって、塩分を摂っていないようで、草食動物の血液からしっかり塩分を摂っています。
あなたは愛犬を塩分から遠ざけすぎていませんか? 極端に塩分を遠ざけるのは、もうやめにしましょう。
塩分の控えすぎでヤル気のないダルい犬になる前に適度な塩分は与えてあげてください。
わが家の手作りごはんには、意識的に塩分を含む食品も入れるようにしています。たとえば、ワカメ、ニボシ、味噌、チーズなど。麺類にも、塩分は含まれていますね。
適度に塩分も摂れるよう、工夫してあげてください^^
精製された食塩よりは、自然の塩分で摂ることをおすすめします。